今回は、父を亡くした私が体験した、少し不思議で
でも心があたたかくなるようなお話をさせてください。
「人は死んだら、それで終わりなのか?」
この問いに、誰も確かな答えを持つことはできません。
けれど私は、父の旅立ちを通して、たしかに何かを受け取ったのです。
それは、父が最後に私に残してくれた、大切なメッセージでした。
よかったら、最後まで読んでいただけたら嬉しいです✨
突然の別れ

昨年、持病と向き合いながら闘病を続けていた父が、突然この世を去りました。
当時は、あまりにも早すぎる別れに心が引き裂かれるような思いで、
私の人生で一番多くの涙を流しました。
しかし今振り返ると、父の死は
私のその後の人生観を根底から揺さぶるきっかけとなったのです。
それまでの私は、心霊体験もなく、特定の宗教を信仰していないので、
「死」について深く考えることはありませんでした。
しかし、父が他界する1ヶ月前、とある本と出会いました。
それは、普段の私なら手に取ることのないジャンルの本。
でも、なぜかその時の私は自然とページをめくっていました。
その本に書かれていた「魂は永遠」「すべては繋がっている」という言葉。
普段なら、そこまで気に留めることはなかったと思います。
しかし、なぜかその時の私は、この言葉が心に深く刻まれるのを感じていました。
そしてそれが、これから起こる出来事の伏線だったのです。
通夜での「静かな会話」

不思議な体験は、父の通夜から始まりました。
静かにお経が響く中、私はふと
「父と会話をしている」ような感覚に包まれました。
もちろん、声が聞こえるわけではなく、姿が見えるわけでもありません。
それでも確かに、一方的に語りかけているのではなく、
ちゃんとキャッチボールをしている感覚がありました。
「お父さん、ありがとう」
「今まで、本当によく頑張ったね」
「大好きだよ」
そんな言葉が自然と心の奥からあふれ出てきました。
不思議なことに、涙よりも笑顔の方が多くこぼれていたのです。
スマホに現れた父の名前

その夜、私は父に宛てた手紙を書いていました。
想いを綴っていたその時、不意にスマホを開くと、突然画面にポップアップが表示されました。
インターネットに接続しますか?
〇〇(父の名前)
父のスマホは手元にないし、
なぜここで父の名前が…?
理由はわかりませんでしたが、
「そばにいてくれているのかもしれない」という温かな気持ちが広がりました。
そして眠りにつくときには、
これまで感じたことのない不思議な温もりが全身を包み込みました。
「今、大きな愛に包まれている。みんな繋がっている」
どこからともなく、そんな感覚が沸きあがってきました。
悲しみのどん底にあるはずなのに、
私の心は不思議な温かさと多幸感に満ちていました。
伯母の身体を借りた再会

そして翌日、最後の別れを告げるため、私たちは霊柩車で火葬場へ向かっていました。
助手席に母、後部座席には私と伯母が座っていました。
伯母には霊感があり、過去に何度か「憑依」のような体験をしたと聞いていましたが、
正直、私は半信半疑に思っていました。
しかしその日、まさに目の前で、信じられないことが起きたのです。
父の務めていた会社の前を通過するとき、
社員の方々が寒空の下外に出て、手を合わせてくれていました。
その瞬間でした。
隣に座っていた伯母の表情が、まるで別人のように変わったのです。
伯母は突然泣き出し、社員の方々に右手を振りながら言葉にならない声をあげ始めたのです。
「お父さんなの…?」と恐る恐る私が声をかけると、伯母は泣きながらうなずきました。
その表情や話し方、
…そこには明らかに「父の存在」を感じました。
「お父さん、本当にありがとう。今までよく頑張ったね」
私は伝えたかった言葉をひとつひとつ届けました。
父は伯母の身体を借りて、号泣しながらうなずきました。
「昨日、祭壇の前で一緒にビール飲んだよね」と言うと、
今度は涙をぬぐいながら、やさしく微笑んでくれたのです。
実家の前を通ったとき父は、
「窓、窓…」と言いました。
窓を開けると、生前父が誰よりも可愛がっていた愛犬に手を伸ばし、
最後の別れを交わしていました。
すると、まるで父の存在を感じ取ったかのように、
愛犬はしっぽを振りながら嬉しそうに吠え始めたのです。
そして火葬場に到着し、棺の蓋を閉める最後の瞬間。
父は自分の遺体を見て、こう言ったのです。
「そこにいない。ここにいる。」
そう言って伯母の体を指さし、こう言いました。
「みんな繋がっているよ」
この言葉が、私の心に深く響きました。
“肉体がなくなっても、魂は生き続けている”
以前本で読んだ言葉が、その瞬間、まさに私の中にストンと腑に落ちました。
四十九日、最後のメッセージ

不思議な体験はそれだけではありませんでした。
父が亡くなってから、ふとした瞬間に
お腹のあたりが「ぽわ〜ん」と温かくなる感覚が何度もありました。
特に、父の会社に挨拶に行った時や、食卓で父の思い出を語っている時。
不思議なことに、母も同時に同じ温かさを感じていたのです。
そして、四十九日を迎えました。
母が仏壇の前で静かに涙を流していると、
再び伯母の中に父の魂が現れました。
私が伯母に近づくと、彼女の身体は異様なほど冷たく、
周囲の温度とは明らかに違う「白い息」がはっきりと見えたのです。
そこに、この世とあの世の境界のような不思議な空間が広がっていました。
そして父は最後のメッセージを伝えてくれました。
「今日までずっと家にいて、みんなのことを見ていた。
悲しんでいる姿を見るとお父さんも悲しい…
みんなが笑っていてくれたらお父さんも嬉しい。
・・・
もう上に行かなければいけないけど、
呼んだらいつでもすぐに来るからね。」
その日を境に、お腹の温かさなど不思議な感覚はパタリと無くなりました。
まるで、父が本当に次の世界へ旅立ったことを知らせてくれているかのようでした。
死を通して教えてもらった「生きる」意味

父の死は、
終わりではなく、新たな始まりでした。
父は「死」を超えた「生」の意味を私に教えてくれました。
悲しみだけでなく、深い愛と気づきを与えてくれたのです。
死と向き合うことは、今をどう生きるかを考えることにつながっている。
父の魂からのメッセージを受け取ることで、
「これからの人生、悔いのないよう楽しみながら全力で生きたい」
「自分を満たし、周りの人も幸せにできる人になりたい」
こんな風に心の底から思えるようになりました。
私も母も、長いこと「父のため」に尽くしてきました。
しかし今は、
自分自身と向き合い、自分の人生を生きる時だ。
と、父は背中を押してくれたのです。
自分のコップの水が空っぽでは、誰かに水を注ぐことはできません。
自分の心に愛を満たしてはじめて、周りにも与えることができるのです。
この経験を通して大きな学びを得た私は、
与えられた時間を一瞬一瞬大切にし、
自分の内なる光を輝かせながら、
周りの人々とも幸せを分かち合える人でありたい。
そう心から願いながら、日々を歩いています。
そしていつか、自分の使命を全うしてこの世での役目を終えた時——
魂の故郷で父と再会し、お互いの人生を笑顔で語り合える日を、私は心待ちにしています✨
もしも今、大切な人を亡くして辛い思いをされている方がこの記事を読んでくださっているなら、
お伝えしたいことがあります。
愛する人との絆は、決して死によって断ち切られることはない。
ずっとそばで優しく見守ってくれている。
そして何よりあなたが笑顔で楽しむことを心より望んでいる。
あなたの心が少しでも軽くなりますように…✨
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